韓国のミールキットの市場規模が大幅増
韓国では簡便食品の市場規模が増えているそうですが、それに合わせてミールキットの人気も出ているようです。
韓国FISが公表した資料には、2025年までの増加傾向について記されていました。
ユーロモニターによると2020年のミールキットの市場規模は前年比85%増加し、1882億ウォンで、2025年まで年平均31%上昇し、7253億ウォンに達する見込み
引用:FIS
ミールキットとは?
ミールキットの意味
ミールキットは、韓国語で「밀키트」と表示され、ミルキットゥというように呼ばれています。
ミールキットは、ミール(meal:食事)とキット(kit:キット、セット)を合わせた言葉で、料理に必要な下処理を済ませた食材と量がピッタリと合った調味料、調理方法をセットにして提供する製品です。
消費者は、ミールキットを開封して、食材を取り出し、調理の手順を見ながら食事を作っていきます。
ミールキットの動画
You Tubeで韓国のミールキットに関する動画を見てみると調理方法を紹介するもの、人気や味を比較するもの、解説なしでひたすら調理している映像を流しているものなどがありました。
その他にもコロナ19の影響を受けた飲食店が、新たにミールキットの販売を開始しようとする場合の解説動画もありました。
どんなブランドがあるの?
韓国のミールキットは、どんなブランドがあるのか、ざっと見てみました。
- fresh easy(프레시지:プレシジ)、フレッシュイージー
- MYCHEF(마이셰프:マイシェプ)、マイシェフ
- COOKIT(쿠킷:クキッ)、CJのクッキット
- eatsON(잇츠온:イチュオン)、hy(旧社名:韓国ヤクルト)のイーツオン
が人気です。ミールキット専門のブランドもあれば、大手食品会社が提供するミールキットブランドもあります。シェアの入れ替わりもあり、有名レストランとコラボした新製品の開発なども発表されています。
簡便食品の流通ルートの動向は?
韓国FISでは、ミールキットなどの簡便食品の流通ルートの変化についても公表していました。2019年と比べ2020年では、大型マートとコンビニエンスストアが減少し、独立スーパーが横ばい、オンライン注文が大幅増です。オンライン注文では、明け方配送、当日配送が急増しているそうです。
メニューと利用機会の広がり
コロナ19の感染防止対策で外食の機会が制限されています。ミールキットは、日常の1食を満たすだけでなく、外食の代わりやイベントでのごちそうとしても利用されています。
韓国料理だけでなく洋食メニューの提供、全国規模の人気レストランや地方の人気飲食店とのコラボ製品にも注目が集まっています。
ホームパーティ、キャンプ、誕生日などのお祝いイベント、親子のホームクッキングなど特別な機会での需要もあるようです。
年代別の利用者層と目的
どんな年代が利用しているのかというと、30、40、20、50、60、10歳代というような順位で30~40代の利用が大半を占めています。50代以上になると利用が減っています。
若者は、日常食として多様なメニューを購入しているようですが、30代になるとホームパーティやキャンプなどのイベント用、40代になるとそれらに加えて子供と楽しむためのミールキットが好まれるようです。
まとめ
韓国では、世帯構成の変化、オンライン注文の増加、配達サービスの普及、コロナ19の影響などでミールキットが人気となっていることがわかりました。
韓国の飲食業といえば、個人経営の食堂や市場や屋台の店舗など小さな専門店がたくさんあり、それぞれ店独自の味を提供していたような印象がありました。
簡便食品やミールキットなど統一した食材と味ばかりになってしまうのであれば、少し寂しい気がします。今後、韓国の食文化がどのように変化していくのか気になるところです。